貴乃花の復帰なるか。

貴乃花が今フランスにいるのは、ロナウド君の膝の手術をして復活させた整形外科の名医に
かかるためらしい。
貴乃花も今、崖っぷちに立ってるんだよなぁ。
選手生命をかけた最後の賭けなのか。

私はこの力士が嫌いだった。
相撲内容ももちろんだが、あのパーソナリティが特に。
が、私もあの小泉総理の「感動した!」の試合で、いつもの計算高いクールな
仮面を脱ぎ捨て、目の前の勝負にすべてを賭けた姿を見て、彼を見直した人間の一人だ。
あの試合は彼の印象を好転させるいいきっかけにはなったが、その代償はあまりに大きかったようだね。

相撲界のサラブレットとして周囲から受けた嫉妬、マスコミによる執拗なスキャンダル報道、恋愛沙汰、家庭内の不和、相撲協会からの非難圧力。
いい悪いは別にして、この人はこの人なりにかなり苦しい思いをしてきたと思う。

あの「感動した!」の一番を花道に引退、という手もある。
だけど、このまま納得いかないまま力士生活に終止符を打つのは本人が何より無念だろう。
苦しかったけど、最後は「相撲取りをやっていて良かった、あの時頑張ってよかった」と思えるような
何より本人の納得のいく終わり方をして欲しい。
そして、私としてはもう一花ぐらい咲かせてあげたい。

頑張った、といえばジェーニャのオリンピックのフリーの「カルメン」。
あれを評価する人間がファン以外の人に非常に多かったことに私は結構驚いた覚えがある。
フリーに関しては守りに入ってしまったヤグの仮面の男より、ミスはあっても攻撃的だったジェーニャの
カルメンの方が良かったという人がiskater.com(なつかしい)では多かったぐらいだ。

不利な状況でもあきらめず、がんばる姿は人の心を打つ。
そしてジェーニャもあの貴乃花のときのように、クールで完璧な仮面を捨てて、必死で頑張った。
たとえその力みでジャンプやプログラムのバランスを少々崩していたとしても。
そんないかにも人間臭い姿が、あくまでアンチであった北米の人々の心を軟化させたのかも
知れないなぁ。
実際、オリンピックの敗北からジェーニャに対する人々の反応が微妙に変わっていったような気がする。
まぁ、こんなのあくまで私の思い込みでしかないんだろうけどね。

とにかく、最近の貴乃花をみながら、ちょっとそんなことを思った。